家族葬の費用相場はいくら?安心して準備を進めるために知っておきたいこと
2026.2.19

大切なご家族を亡くした悲しみの中で、葬儀の準備を進めなければならないのは、心身ともに大きな負担です。とりわけ「費用がいくらかかるのか」という不安は、多くの方が抱える切実な問題でしょう。
インターネットで調べると「39万円〜」といった広告を目にする一方で、「実際には100万円以上かかった」という声も聞こえ、とまどう方も多いようです。
この記事では、家族葬の費用相場と内訳を分かりやすく整理し、見積もりを見たときに落ち着いて判断できるよう、知っておきたい基礎知識を解説します。
目次
家族葬の費用相場は70万〜120万円|まずは全体像を知ろう

大切なご家族との別れに際し、費用のことが気になるのは自然なことです。ここでは、全国的な平均費用と、その数字の背景にある仕組みをお伝えします。
家族葬の平均費用は約120万円
家族葬の総額は、基本となるセットプラン費用に、飲食費・返礼品費といった人数で変動する費用が加わって決まり、その平均総額は、約120万円といわれています。なおこの費用には、お布施は含まれていない点に注意が必要です。つまり、実際にはこれに加えて、お布施の費用も別途準備が必要になります。
また、120万円はあくまで「平均」であり、地域や葬儀に参加する人数によって幅があるのが実情です。一般的には関東や北陸は高く、九州や四国を含む西日本は比較的抑えられる傾向があります。
とくに飲食費・返礼品費などの「変動費」によって大きく違ってくるため、ご自身の状況に照らし合わせて考えることが大切です。
広告に掲載されている費用と差が生まれる理由
広告では「39万円〜」など、もっと安い費用が掲載されていますが、これは最もシンプルなプランの固定費を指していることが多いのが実情です。この金額は葬儀の基本となる部分のみで、実際には飲食費や返礼品、火葬場利用料、お布施などが加わることで、総額は増える傾向があります。
「プラン料金」と「最終的にお支払いになる総額」の違いを理解しておくことが、見積もり価格が適正かどうかを判断するには大切です。
家族葬の費用内訳|何にいくらかかるのかを知る

「なぜこの金額になるのか」が分かっていると、見積もりを見たときにも落ち着いて判断できるようになります。ここでは、費用を3つの階層に分けて、それぞれの役割と目安を紹介します。
セットプラン(葬儀本体)の費用:70万〜100万円程度
飲食などの人数で変わる費用を除いた、葬儀本体の価格です。斎場利用料、祭壇、棺、遺影、骨壷、搬送費など、葬儀を行うための費用が含まれ、いわゆる「プラン料金」として提示されることが多い部分で、葬儀社を選ぶ際に最初に比較する金額になります。
祭壇のグレードや棺の種類によって金額が変わるため、何が含まれているかを確認しておくと安心です。
火葬料:無料〜5万円程度
火葬場には公営と民営があり、故人が自治体の住民だと費用が抑えられる傾向があります。公営の火葬場では無料〜数千円程度、民営だと数万円かかる場合もあり、自治体により費用差が大きく、都市部では比較的高めの設定となっているのも特徴です。
個室の控え室を使うと別途費用がかかる場合もあるため、事前に確認しておくと、予算が立てやすくなります。
飲食費:一人あたり7千円〜1万円程度
通夜振る舞いと精進落としで、一人あたり7千円〜1万円程度が目安となります。「プラン料金」には含まれていないため、総額に影響しやすい部分です。地域によっては、どちらかのみ一方を行う場合もあります。
参列される方の人数によって変動するため、事前にある程度の人数を想定しておくと見積もりの精度が上がります。料理はグレードを選べるため、予算にあわせて検討するとよいでしょう。
返礼品費:一人あたり1千円〜3千円程度
内容によりますが、返礼品は1人あたり1千円〜3千円が目安になります。こちらも人数によって変動する費用であるため、参列者数の見込みを立てておくことで、総額を把握しやすくなります。
返礼品は、お茶やタオル、お菓子などをお渡しするのが一般的ですが、地域の慣習によって、内容や金額の相場が異なる場合もあります。何を選べばよいか迷う場合は、葬儀社に相談しながら決めるとスムーズです。
お布施など宗教者への謝礼:10万〜30万円程度
僧侶など宗教者を通夜や葬儀、火葬場へ招く場合、お布施やお車代、御膳料をお渡しするのが一般的です。御膳料は、精進落としなどを辞退された場合に、お食事代としてお渡しするお礼金を指します。
これらは宗派によって金額の目安が異なることが特徴ですが、10万円〜30万円程度を見込んでおくと安心です。また、戒名は別途となる場合もあります。宗教者への謝礼は、葬儀社への支払いとは別に用意する必要があるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
【人数別】家族葬にかかる費用の目安

「自分の場合はいくらくらいになるのだろう」という疑問にお答えするため、お布施を除いた参列人数別の目安を紹介します。
参列者10名程度の場合:総額約70万〜90万円
同居の家族を中心に、ごく親しい方だけで静かにお見送りしたい場合に選ばれることが多い規模です。10名規模では、飲食費が約7万〜10万円、返礼品費が約1万〜3万円程度となり、基本プラン費用と合わせて70万〜90万円が目安となります。
この規模だと飲食費や返礼品を省略するケースも少なくありません。その場合、総額もプラン料金により近くなり、比較的コンパクトに収まります。
参列者20名程度の場合:総額約80万〜100万円
親族を中心に、近しいご友人も含めてお見送りする場合の一般的な規模です。20名規模になると、飲食費が約14万〜20万円、返礼品費が約2万〜6万円となり、10名の場合より8万〜13万円ほど総額が増える計算になります。
家族葬のなかでも最も選ばれやすい人数で、親族間の交流も大切にしながら、故人を偲ぶ時間を持てるバランスの取れた規模感といえます。参列者同士も顔見知りの方が多く、和やかな雰囲気の中で故人を偲べます。
参列者30名程度の場合:総額約90万〜120万円
親族に加え、故人と親しかった方々にも広くお声がけする場合の規模感です。30名になると、飲食費が約21万〜30万円、返礼品費が約3万〜9万円となり、20名の場合よりさらに8万〜13万円ほど増える傾向があります。基本プラン費用と合わせて、総額は90万〜120万円が目安です。
家族葬としては比較的大きめの規模となりますが、参列者全員が故人との思い出を持つ方々のため、アットホームな雰囲気は保たれます。
お布施は人数に関係なく別途発生する
僧侶など宗教者への謝礼は、参列者の数ではなく「供養の内容」に対するものです。10名でも30名でも、通夜・葬儀・火葬という流れが同じであれば、お布施の金額も基本的には変わりません。葬儀社に払う費用には含まれず、別途準備が必要となります。この点を理解しておくと、予算の見込みが立てやすくなります。
無宗教での見送りを選ばれる場合は、この費用を省くことができます。宗教者を招かない形式も近年増えており、ご家族の考え方に合わせて検討するとよいでしょう。
家族葬の費用は「何を大切にするか」でも変わる

人数別の目安を紹介しましたが、これらはあくまで無理のない準備を進めるための「ひとつの目安」にすぎません。
葬儀の費用は、人数だけで決まるような単純で無機質なものではないためです。実際には、「故人のために何をしてあげたいか」「どのような空間で送り出したいか」という家族の想いによって、内容も費用も柔軟に変わってきます。
「花が好きだった母のために、祭壇を華やかに彩ってあげたい」「親族だけで集まるから、お食事は一番良いものを用意して、思い出話をゆっくりしたい」といった声もよく聞きます。
このように、家族ごとに大切にしたいポイントは異なり、それによって費用も変わってくるものです。どのような葬儀にしたいかを、まずは考えてみるとよいでしょう。
費用の負担と支払い方法|使える制度を知っておく

費用の負担や支払い方法について、事前に知っておくと気持ちに余裕が生まれます。ここでは、実際の負担を軽減できる制度などをご紹介します。
費用は誰が負担するのが一般的か
慣例として喪主が費用を負担するケースが多いのが実情ですが、兄弟で分担されることもあります。遺産から支払うケースもあり、法律で決まっているわけではないため、ご家族の状況に合わせて柔軟に決めて構いません。
家族で事前に話し合っておくと準備もしやすくなりますし、後々のトラブルも避けられます。お金の話は言い出しにくいものですが、率直に話し合うことで、それぞれの負担を減らせます。
後日「相続預金の払い戻し制度」を利用し故人の預貯金から支払う
故人の口座は金融機関が死亡を知ると凍結されますが、「相続預金の払い戻し制度」により、相続手続き前でも一定額を引き出すことができます。
ただし、必要書類をそろえたり、金融機関での手続きに時間がかかったりするため、葬儀社への支払いのタイミングに間に合わせるのは現実的ではありません。
そのためいったん喪主が費用を立て替え、後日この制度を利用して費用を充当するのが一般的です。
健康保険の葬祭費・埋葬料を申請する
国民健康保険の場合は「葬祭費」、社会保険の場合は「埋葬料」が支給されます。葬祭費は3万〜7万円程度で、亡くなった方が住んでいた自治体によって異なります。埋葬料は上限5万円です。支給額は決して大きくはありませんが、負担を軽減できる制度として活用しましょう。
なお葬祭費も埋葬料も、申請しなければ受け取れないため、忘れずに手続きすることが大切です。申請期限は葬儀から2年以内ですが、早めに手続きを済ませておくと受け取り漏れを防げます。
家族葬の費用を抑えるためにできること

ここからは、無理なく費用を調整する方法をまとめてお伝えします。
会員制度を活用する
多くの葬儀社では、事前に会員登録することで割引が適用される制度があります。入会金や年会費が無料の場合も多く、葬儀費用が数万円から数十万円割引になることもあるため、検討する価値があります。事前に相談できる窓口も用意されている場合が多いのも利点です。
「元気なうちに」準備を進めることで、いざという時に慌てずに済む安心感も得られます。家族で葬儀について話し合うきっかけにもなり、故人の希望を確認できる機会にもなるでしょう。
見積もりの詳細を確認して比較する
「葬儀一式」と書かれていても、葬儀社によって含まれる内容が異なります。祭壇や棺のグレード、搬送距離の上限、安置日数など、細かな条件が異なる場合があるため、複数の見積もりを比較する際は項目ごとに確認するとよいでしょう。
搬送距離の上限を超えた場合や、安置日数が延びた場合の追加料金も事前に把握しておくと、後から「こんなはずではなかった」という事態を避けられます。
余裕があるなら、事前に比較を済ませておくと、いざというときに葬儀費用に悩むことなくお別れだけに心を寄せられるので安心です。
葬儀の形式を検討する
通夜を行わない「一日葬」を選ぶと、宿泊や飲食の費用を抑えることができます。高齢のご親族にとっては、通夜と葬儀の二日間よりも、一日で済む方が体力的な負担が少ないという利点もあります。遠方から来られる方への配慮として、一日葬が選ばれることもあります。
親族で相談のうえ、故人の意向も踏まえて決めることで、納得のいく形式が選べます。形式を柔軟に考えることで、費用面でも選択肢が広がるでしょう。
関連記事 :家族葬の費用を安くする方法|後悔しないための知識と10の工夫
まとめ

家族葬の費用相場は70〜120万円程度ですが、これはあくまで平均的な目安です。実際の費用は、参列する人数や葬儀の形式などによって大きく変わってきます。
何より大切なのは、費用だけで判断するのではなく、故人をどのように送りたいかという想いを優先することです。無理のない範囲で、心のこもったお別れの時間を過ごしていただければと思います。
家族葬の飛鳥会館では、家族だけで静かに送る小規模な葬儀や、ご家族の負担を抑えた葬儀運営など、心に寄り添うサポートを行っています。費用面でのご不安やご質問があれば、まずはお気軽にご相談ください。






