家族葬について

家族葬はどこまで呼ぶ?大切な人との温かいお別れを実現する参列者の選び方

2026.1.4

近年、大切な方とのお別れの形として「家族葬」を選ぶ方が増えています。参列者への対応に追われることなく静かに故人を偲べること、費用負担を調整しやすいこと、そしてプライベートな空間でその人らしい自由なお別れができることが、家族葬が選ばれる大きな理由です。

その一方で、「どこまでの範囲の人を呼んでいいのだろうか」「家族以外は呼んではいけないのだろうか」といった疑問や不安を感じる方が多いのも事実です。大切な方を亡くされた悲しみの中で、こうした決断を迫られることは、遺族にとって大きな精神的負担となり得ます。

この記事では、家族葬を検討されている方が、後悔のない温かいお別れを実現するための参列者の選び方について、専門的な視点から詳しく、そしてわかりやすく解説します。

目次

家族葬に呼ぶ範囲にルールはあるの?

まず最も大切なこととして、家族葬の参列者の範囲に法的な決まりや社会的に定められたルールは一切存在しません。最も大切なのは、「故人がどのようなお別れを望んでいたか」、そして「遺族がどのように故人を見送りたいか」という純粋な想いです。このことを心に留めておくだけで、多くの迷いは晴れていきます。

一般的な目安は「二親等まで」だが絶対ではない

葬儀社によっては、「参列者の目安は二親等とすることが多いです」と提案することもあるようです。これはあくまで、誰を呼ぶか考え始める際の「出発点」として便利な基準に過ぎないため、縛られる必要はありません。

実際には、参列者が10名であっても50名であっても、遺族が「この方々と共にお見送りしたい」と心から思えるのであれば、それがその遺族にとっての「家族葬」の正解となります。

人数が多くなると「これは一般葬と同じではないか?」と感じるかもしれませんが、家族葬と一般葬を分ける本質的な違いは人数ではありません。訃報を広く知らせるのではなく、遺族が直接お声がけした方のみが参列する、という点が家族葬の大きな特徴です。

「家族葬」でも血縁者以外を呼んでいい

「家族葬」という言葉の響きから、血縁者以外を呼ぶことにためらいを感じる方もいますが、その必要は全くありません。故人が生前、家族同然のように親しく付き合っていたご友人や、特別に大切にしていた恩師、趣味の仲間など、血縁という形式にとらわれず、故人との絆の深さで判断することが、心のこもったお別れへとつながります。

大切なのは、故人が最期のときに誰にそばにいてほしいと願うか想像し、その想いに寄り添って選ぶことです。

家族葬で「どこまで呼ぶか」迷う3つの理由と考え方

「呼ぶべきか、呼ばないべきか」という判断に悩むときには、主に3つの心理的な要因が複雑に絡み合っています。これらの悩みを一つひとつ解決していくことで納得できる答えが見つかりやすくなります。

世間体と故人の想いで気持ちが揺れる

「親戚に何か言われないだろうか」「こんなに小規模な葬儀では、故人が可哀想だと思われないだろうか」といった、いわゆる「世間体」を気にする気持ちは、日本の文化的な背景から生まれる自然な感情です。しかし、葬儀において本当に大切なのは、世間の評価ではなく、故人と遺族の想いです。

例えば、「母は生前、派手なことが嫌いだった」「父は身内だけで静かに送ってほしいと話していた」といった、故人の人柄や生前の言葉を思い出すことが、世間体という見えない圧力から心を解放する鍵となります。故人の意思を尊重することこそが、最高の供養になるという確信を持つことが大切です。

「家族葬」という言葉に縛られる

「家族葬」という名称が、かえって思考を狭めてしまうことがあります。「家族」という言葉に縛られ、「友人を呼ぶのはおかしいのではないか」と考えてしまうのです。

しかし、前述の通り、家族葬には明確な定義はありません。10名でも50名でも、遺族が「家族葬」と決めればそれが家族葬です。だからこそ、人数という形式ではなく、「誰と、どんな雰囲気でお別れをしたいか」という本質的な問いを基準に考えることができるのです。

後でトラブルが起こるのではと心配になる

参列者の範囲を決めるうえで最も大きな不安は、「なぜ呼ばなかったんだ」と後から責められたり、人間関係に亀裂が入ったりするのではないか、というトラブルへの懸念です。この不安が、結果的に参列者の範囲を広げすぎてしまい、本来望んでいた静かなお別れとはかけ離れたものになってしまうこともあります。

しかし、多くのトラブルは「認識の不足」と「対話の不足」から生じるものです。つまり、呼ばれなかった方へ事前の連絡や事後の報告を丁寧に行い、なぜ家族葬という形を選んだのかを誠実に伝えることで、その多くは未然に防ぐことができます。

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家族葬トラブルを防ぐために|後悔しないお別れのための準備と心構え

【人数規模別】家族葬の参列者範囲の具体例

具体的にどのような葬儀にしたいか、その雰囲気や規模から逆算して参列者を考えてみるのも、わかりやすく現実的なアプローチです。ここでは3つの人数規模別に、それぞれの特徴や参列者の具体例を解説します。

10名以下|静かに寄り添う、家族だけのお見送り

参列者を故人と同居していた家族や兄弟姉妹など、本当に身近な方々に限定した、最もプライベートなお見送りです。深い悲しみを共有し、互いに支え合うことに集中できる、まるで自宅のリビングで過ごすような落ち着いた雰囲気の中で、故人と最後の時間を過ごせます。

故人が高齢で交友関係が限られていた場合や、本人が生前から華美なことを好まなかった場合に最適な形といえるでしょう。

10~30名|親族と近しい人で囲む、穏やかな家族葬

親族に加え、故人が特に親しくしていた友人や恩師を数名招く家族葬です。この規模は、親族への配慮と、遺族が望む「ゆっくりお別れしたい」という気持ちのバランスが取りやすいのが特徴です。

多くの方が「後悔が少ない選択だった」と実感するような、温かい思い出話とともに過ごす穏やかで心安らぐ時間となります。一定の礼節を保ちつつ、アットホームな雰囲気を大切にしたい場合に適した家族葬の形です。

30名以上|つながりを大切にする、温かなお別れ

親族に加えて、故人の元同僚、長年のご友人、趣味の仲間など、生前の社会的なつながりも大切にしたい場合に選ばれる規模です。一般葬に近い人数になることもありますが、あくまで遺族がお声がけした方のみが集まる招待制であるため、故人と縁の深い方々だけの一体感のある温かい空間が生まれます。

故人の人生がいかに多くの人々とのつながりに支えられていたかを実感できるお別れとなり、故人の交友関係が広かった場合や、遺族が「お世話になった方々にも、きちんとお別れの機会を持っていただきたい」と願う場合に適しています。

後悔しない選択のための判断基準と考え方

誰を呼ぶかで迷ったとき、以下の4つの基準を順番に検討していくことで、思考が整理され、遺族にとって最良の答えが自然と見えてきます。

故人の生前の意向を何よりも大切に考える

すべての判断の出発点は、「故人ならどう思うか」です。エンディングノートや遺言があればもちろんですが、そうでなくても生前の会話やその人柄から、故人が望むお別れの形を推し量ることはできます。

「母はいつも『質素が一番』と言っていた」「父は仲間と賑やかに過ごすのが好きだった」といった故人の価値観を尊重することが、後悔のないお見送りにつながる第一歩です。

遺族自身の精神的・体力的負担を現実的に考える

大切な方を亡くした直後の遺族は、深い悲しみの中にあり、心身ともに疲弊しています。その中で多くの参列者に対応することは、想像以上の負担となります。

背伸びをせず、「この人数なら、私たちも落ち着いて故人を送ることができる」と感じる規模を選ぶことは、決してわがままではありません。遺族が心穏やかでいられることこそ、故人が最も望んでいることでもあるでしょう。

予算との兼ね合いを正直に検討する

葬儀費用は、決して無視できない現実的な問題です。見栄を張ったり、無理をしたりする必要はありません。「高価で豪華な葬儀=良い葬儀」ではないのです。

限られた予算の中でも、心のこもった温かいお別れをすることは十分に可能です。費用面の不安が参列者選びの判断を鈍らせないよう、正直に予算と向き合うことが大切です。

迷ったら「呼ぶ」を基本にする

さまざまな角度から検討してもなお、呼ぶべきか呼ばないべきか判断に迷う方がいる場合、基本的には「呼ぶ」という選択をおすすめします。なぜなら、「あのとき、お声がけすればよかった」という後悔は後々まで残りますが、「呼ばなければよかった」という後悔はほとんどないからです。

特に、葬儀後も関係が続いていく親族については、迷うくらいであれば声をかけるのが無難です。相手の「最後にお別れがしたかった」という気持ちを尊重する姿勢が、将来的なトラブルを防ぐことにもつながります。

呼ばない方への配慮|トラブルを防ぐ伝え方

参列を遠慮いただく方への連絡は、タイミングと伝え方次第で、相手の受け取り方が大きく変わります。ここでは、誤解やトラブルを避け、相手に納得していただくための具体的な方法を解説します。

葬儀前と葬儀後、それぞれの連絡タイミングの考え方

連絡のタイミングは、相手との関係性の深さによって分けるのが一般的です。

ごく近しい親族など、訃報をすぐに知らせるべき方々へは、葬儀前に連絡をします。その際、訃報とあわせて、葬儀は故人の遺志により近親者のみで執り行う旨を明確に伝えることで、相手が「参列すべきか」と迷ったり、後から「知らなかった」と感じたりするのを防げます。

一方で、職場関係者や友人、知人などへは、葬儀が無事に終わった段階で連絡するのがよいでしょう。事後報告として訃報と家族葬で執り行った旨を伝えることで、相手に香典や弔問の気遣いをさせずに済ませるという配慮になります。

誤解を生まない3つの伝達ポイント

連絡の際には、以下の3つの要素を明確に、そして簡潔に伝えることが重要です。

  1. 訃報の事実: 誰が、いつ亡くなったのかを伝えます。
  2. 家族葬であること: 葬儀は近親者のみで執り行う(執り行った)ことを伝えます。
  3. 香典・供花などの辞退: 辞退する場合には、ご厚意はありがたく頂戴するものの、香典や供花、弔問などは固く辞退する旨を伝えます。

この3点に加えて、「故人の遺志により」という一言を添えることで、それが遺族の一方的な決定ではないことを示し、相手も納得しやすくなります。

よくある質問|家族葬の参列者範囲の疑問にお答えします

ここでは、参列者の範囲を決める際によく寄せられる具体的な質問にお答えします。

Q1. 故人の職場関係者はどうすべき?

必ずしも職場全体に知らせる必要はありません。故人が特に親しくしていた同僚や、お世話になった上司など、遺族が「この方にはお伝えしたい」と思う方だけに個別に連絡すれば十分です。

その際、訃報とあわせて「葬儀は近親者のみで執り行います(執り行いました)」と一言添えるだけで、失礼にはあたりません。会社への公式な連絡は、忌引き休暇の申請なども含め、総務部や直属の上司へ事後報告の形で行うのが一般的です。

Q2. 後から「なぜ呼ばなかった」と言われたときは?

万が一、そのような方がいた場合、まずは感情的にならず、相手の「お別れをしたかった」という気持ちを受け止めることが大切です。

最初に「お気持ち、本当にありがとうございます」と感謝を伝えましょう。そのうえで、「故人の生前からの強い希望で、家族だけで静かにお見送りさせていただきました」「ご意向に沿えず申し訳ありません。落ち着きましたら、改めてお線香をあげにいらしてください」など、故人や遺族の意向であったことを、柔らかく丁寧に説明すると角が立ちにくくなります。

あくまで故人の意思を尊重した結果であることを伝えるのがポイントです。

Q3. 参列者10名と30名では費用はどのくらい変わりますか?

家族葬の費用は、「固定費」と「変動費」の2種類に大別できます。祭壇や棺、式場使用料、人件費といった葬儀の根幹をなす「固定費」は、参列者の人数が10名から30名に増えても、大きくは変わりません。

費用の差が現れるのは、通夜振る舞いや精進落としといった会食費、そして会葬返礼品などの「変動費」です。これらは参列者の人数に比例して増えるため、人数が多くなるほど総額も上がります。10人から30人に増える場合の目安としては、5万円〜15万円程度と考えておくとよいでしょう。

Q4. 香典辞退をお願いしたのに送られてきた場合の対応は?

遺族の負担を軽減する目的で香典を辞退しても、故人への深い想いから「どうしてもお渡ししたい」というお気持ちで香典が届くことがあります。その場合は相手の厚意を尊重し、無理にお返しせず感謝の言葉とともに受け取るのが丁寧です。

原則として、香典をいただいた場合は、たとえ辞退を伝えていたとしても四十九日の忌明け後に「香典返し」を送ります。金額の目安はいただいた額の3分の1〜半額程度が一般的です。

ただし、相手から「香典返しは不要です」と明言がある場合や、会社名義の香典(経費処理されるもの)はこの限りではありません。その場合も、何もせずに済ませず、忌明け後に感謝の気持ちを記したお礼状を送ると丁寧です。

大切なのは「人数」より「想い」を中心にした選択

家族葬で誰を呼ぶかという問題は、最終的に「どのようなお別れをしたいか」という気持ちに行きつきます。参列者の人数や葬儀の規模、費用といった形式的なことよりも、遺族が故人を偲び、心から「良いお見送りができた」と感じられるかどうかが、何よりも大切です。

一つの「正解」はなく、遺族にとっての最良の答えを見つけることが、故人への一番の供養となるでしょう。

家族葬の飛鳥会館では、ご家族一人ひとりの想いに寄り添い、「その方らしいお別れ」を丁寧にお手伝いしています。どんな些細なことでも構いません。どうぞお気軽にご相談ください。

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