家族葬への参列や香典などを辞退したいときに知っておきたい伝え方とタイミング
2026.1.4

故人との最後の時間を静かに家族だけで過ごしたいという願いはもちろん、遠方から無理に参列してほしくない、香典などでかえって気を遣わせたくない。そんな気持ちから家族葬を選び、参列や香典などの辞退を選ぶ方が増えています。
しかし、大切な方を見送る準備のなかで、「家族葬なので参列や香典はご遠慮いただきたい」と思っても、どう伝えればよいのか迷われる方も少なくありません。
この記事では、相手に誤解や不快な思いを与えずに、参列・香典・供花などを辞退するための伝え方や、状況別の文例をわかりやすくまとめました。どう伝えればよいか悩んだときの参考にしてみてください。
目次
家族葬への参列や香典を辞退する遺族は増えている

最近は、家族葬で家族以外の参列や香典・供花を辞退するケースが増えています。その背景には「故人の希望」「静かに見送りたい」「金銭面で負担をかけたくない」といった遺族のさまざまな想いがあります。
参列や香典を辞退することは、決して人間関係を断つ行為ではありません。故人との時間や家族の気持ちを優先するための大切な選択です。
ご厚意を辞退することに迷いや罪悪感を抱いてしまいがちですが、世間体よりも「その人らしいお別れ」を大切にする価値観が社会に広がっています。形式にとらわれず、家族の気持ちを優先する選択は、決して悪いことではありません。
家族葬で参列や香典を辞退するときに大切なこと

家族葬で「参列」「香典」「供花」などを辞退する際は、まず家族内で考えを統一しておくことが何より重要です。
参列のみを辞退するのか、香典・供花・供物まで含めるのか。あらかじめ家族全員で方針を話し合っておきましょう。判断が曖昧なままだと、問い合わせがあったときに対応が食い違い、相手を混乱させることがあります。
どの範囲まで辞退するかを明確にしておくことで、訃報や案内状の文面を統一でき、後の対応もスムーズになります。
とくに親族間で意見が分かれやすいのは「香典を受けるかどうか」です。「いただく方が礼儀」と考える人もいれば、「負担をかけたくない」と考える人もいます。まずは家族や親族の間でしっかり話し合い、全員の気持ちをすり合わせておきましょう。
辞退を伝えるタイミングと方法

家族葬で参列や香典を辞退する場合は、「いつ」「どんな形で」伝えるかをあらかじめ決めておくことが大切です。訃報を受け取った方が混乱しないよう、故人や遺族の意向が伝わるタイミングで、適切な手段を選びましょう。
参列・香典ともに辞退する場合は葬儀後の事後報告が自然
家族葬で参列や香典などをすべて辞退する場合は、事前に知らせず、葬儀後に落ち着いてから伝えるのが一般的です。葬儀前に伝えると、かえって「どうしても参列したい」と申し出を受けることがあり、対応が難しくなることがあるためです。
葬儀後に「このたびは家族のみで見送りました。お気持ちだけありがたく頂戴いたします」と事後報告する形が、もっとも穏やかで誤解のない方法です。
| 謹啓 〇月〇日 祖父○○が死去いたしました 故人の生前の希望により 葬儀は近親者のみで執り行いましたことをご報告申し上げます なお 誠に勝手ながら 御香典・御供花・御供物などのご厚志はご辞退申し上げます 本来であれば早速お知らせ申し上げるべきところ 事後のご報告となりましたことをお詫びいたします 生前に賜りましたご厚情に心より御礼申し上げます 謹白 喪主 〇〇 |
訃報を知った方からご連絡をいただいた場合は「故人の生前の希望により」「静かに家族だけで見送りたいという意向で」と理由を添えて伝えると、角が立たず、相手にも納得してもらいやすくなります。
香典や供花のみ辞退する場合は訃報と一緒に伝えるとスムーズ
参列をお願いしたい場合でも、香典や供花などのご厚意を辞退したいことがあります。その場合は、訃報を伝える際にあわせてお知らせするのがもっとも自然です。
直接電話で伝える場合は、「ご都合がつくようでしたら、ぜひお別れにお越しください。なお、香典や供花などのお心遣いは故人の遺志もありご遠慮申し上げます」と伝えるとよいでしょう。
訃報をメールやFAXなどで出す場合は、以下のような内容とするのが一般的です。
| かねてより病気療養中の父 ○○○○が 令和○年○月○日○時○分に享年○○歳にて死去いたしました 生前のご厚情を深く感謝申し上げ 謹んでご通知申し上げます 通夜ならびに葬儀告別式は 故人の生前の遺志により 家族葬にて執り行いますが ご縁深き○○様にも ご参列賜りたくご案内申し上げます なお 誠に勝手ながら 御香典・御供花・御供物のご厚志は固くご辞退申し上げます 記 【日時】 通夜式 令和○年○月○日(○) 午後○時より 葬儀・告別式 令和○年○月○日(○) 午前○時より 【会場】 ○○斎場 ○○県○○市○○町○−○−○ 電話 ○○−○○○○−○○○○ 【喪主】 ○○○○ 電話 ○○−○○○○−○○○○ 令和○年○月○日 |
特に親しい関係ほど、「何かしてあげたい」という気持ちを持たれる方が多いため、言葉を濁すよりも、はっきりと辞退の意向を伝えるほうが双方にとって負担がありません。
葬儀当日に混乱しないための準備と対応
事前に連絡していても、ご厚意で香典を持参される方は一定数いるものです。葬儀当日は、受付に「御香典・御供花のご厚意はご辞退申し上げます」と記した案内札を設置し、係の方にも同様の説明をお願いしておくと安心です。参列者への対応が統一され、混乱や気まずさを防ぐことができます。
とはいえ、頑なに断り続けるのは、かえって失礼にあたる場合もあります。一度は丁寧にお断りし、それでも強い希望があれば「お気持ちをありがたく頂戴いたします」と感謝して受け取るのがスマートな対応です。
「こんなときどうする?」よくある迷い・疑問への答え

家族葬で参列や香典を辞退したいときに起こりがちな問題と、その対処法を紹介します。
参列を強く希望されたとき、どう対応する?
家族葬であると伝えても、「どうしても参列したい」「せめてお顔だけでも」と申し出られることがあります。親しいご友人やお世話になった方であれば、無理にお断りするよりも、通夜前後や安置時などに短時間だけ拝顔・焼香の機会を設けるのも一つの方法です。
一方で、遺族が知らない方である場合や、死因によっては精神的な負担が大きい場合もあるため、その際は丁寧に事情を説明し、参列を控えていただく対応が望ましいでしょう。
何よりも、故人を思う気持ちと、遺族や参列を希望される方それぞれの想いが、無理なく尊重される形を選ぶことが大切です。
供花や弔電はどうすればいい?
「香典の代わりに供花や供物だけでも贈りたい」と申し出られることも多いものです。供花・供物も辞退したい場合は、「誠に勝手ながら、香典・供花などもお気持ちだけ頂戴いたします」と一括でお伝えするとスムーズです。
一方で、弔電は辞退せずに受け取る遺族も多く、無理に断る必要はありません。 会社などから事前に確認があれば丁寧にお断りできますが、親族や知人から直接会場へ届く弔電を返送することはないためです。
頂いた場合でも、後日挨拶状をお送りするだけで負担も軽いため、過度に気にせず受け取って問題ないでしょう。
会社の弔慰金・慶弔見舞金は受け取っていい?
企業が支給する弔慰金(慶弔見舞金)は、個人からいただく香典とは異なり、会社の福利厚生制度の一部として支払われるものです。そのため、会社からの弔慰金は辞退せず受け取るのが一般的です。辞退すると、総務側の手続きがかえって煩雑になることもあります。
これらは福利厚生のため、香典返しも不要とされるケースが多いですが、後日出社した際などに、お礼の挨拶をすることは大切です。
葬儀後の挨拶状は出すべき?誰に送る?
葬儀後の挨拶状は「必ず送るべきマナー」ではなく、「お世話になった方・気にかけてくれた方への感謝の形」と考えるとよいでしょう。
訃報を伝えたものの、参列を辞退いただいた方全員に出す必要はありません。主に送る相手は、「香典・弔電・供花などをいただいた方」や「特にご関係の深かった方」です。
送らなかったからといって失礼になることはほとんどありませんが、送ることで相手に不快な印象を与えることもないため、迷う場合は出しておくのが安心です。
【参列者側】「参列・香典はご遠慮ください」と言われたらどうする?

ここからは、遺族の方から家族葬への参列や香典の辞退を伝えられたときの、参列者側の適切な対応や気持ちの伝え方を見てみましょう。
遺族の意向を最優先に尊重する
遺族から参列や香典の辞退が伝えられた場合、それは故人の遺志や家庭の事情を踏まえた上での判断であることが多く、まずはその意向に従うことが何より大切です。
「直接お別れをしたい」「せめて香典だけでも」と思う気持ちは自然ですが、良かれと思った行動が結果的に遺族の負担になることもあります。無理に行動するよりも、静かに見守り、心の中で故人を偲ぶことこそが、もっとも誠実で思いやりのある弔意の示し方といえるでしょう。
気持ちだけでも伝えたいときの寄り添い方
参列や香典ができなくても、お悔やみの気持ちを伝える方法はあります。弔電を送る、後日お悔やみの手紙を送る、あるいは四十九日以降など時期を見てご自宅への弔問を申し出る、などが考えられます。
大切なのはタイミングと、遺族の負担にならない配慮です。「遠くからではありますが、心よりお祈りさせていただきます」という姿勢が、もっともやさしい寄り添い方です。
避けたほうがいい行動
辞退の意向を無視して、突然ご自宅へ弔問したり、香典を一方的に送付したりするのはマナー違反です。どんなに善意であっても、それは単なる自己満足でしかなく、遺族の気持ちを置き去りにした行動となりかねません。
よかれと思った行動が、結果的に遺族を困らせたり、悲しみを深めたりするのは本意ではないはずです。「何かしてあげたい気持ち」よりも、「今、遺族が望んでいる形に寄り添うこと」を最優先に考えましょう。
大切なのは辞退の言葉に遺族の想いをこめること

家族葬で参列や香典をご遠慮いただくのは、「拒む」こととは異なります。
「静かに見送りたい」「故人の気持ちを尊重したい」「故人が大切にしていた方に、遠方からなど無理をさせたくない」、そんな想いから生まれる、やさしい配慮のかたちです。感謝の気持ちと辞退の理由を添えて丁寧に伝えれば、ほとんどの方は理解してくださいます。
家族葬の飛鳥会館では、ご家族のこうした大切な想いが誤解なく、きちんと伝わるよう、訃報の伝え方や文例のご相談、当日の案内表示づくりなども含めてきめ細やかにサポートしています。故人らしいお見送りのかたちを、私たちと一緒に整えていきましょう。






