家族葬に参列するべき?控えるべき?迷ったときの考え方と参列時のマナー
2026.1.4

葬儀の形式が多様化するなかで、どこまで関わるのが礼儀なのか判断がつかない。そんな声をよく聞くようになりました。
なかでも家族葬の知らせを受けたときには、「参列してよいのか」「香典はどうするべきか」と戸惑う方が多いようです。とくに故人や遺族との関係が深い場合、「呼ばれていないのに行くのは失礼では?」「行かないと薄情に思われるのでは?」と迷ってしまうこともあるでしょう。
この記事では、家族葬に参列するかどうかを判断するポイントと、参列するとき・控えるときそれぞれのマナーを、やさしく整理して解説します。
目次
家族葬に参列すべき?迷った時の考え方と判断のポイント

まずは、「参列してもよいのか」を判断するための基本的な考え方を整理しましょう。
参列してよいか迷ったときの3つの確認ポイント
家族葬の参列可否を考えるときは、まずは次の3点を確認しましょう。
- 訃報を「自分宛てに直接もらったか」
- 日時・会場などの詳細が書かれているか
- 「近親者のみで執り行います」「ご厚志は辞退いたします」などの文言がないか
人づてやSNSなどで知っただけで、日時や場所の記載もなく、さらに「家族のみで」などと添えられている場合は、原則として参列は控えるのがマナーです。遺族が参列を希望されていない意向だと受け止め、遺族の意向を最優先することが思いやりにつながります。
それでも判断に迷ったときの確認方法
3つのポイントを確認してもどうしても迷いが残るときは、後悔することがないように、喪主、あるいは近しい親族など、面識がある方に「参列してもよろしいでしょうか」「香典だけお送りしても失礼になりませんか」と尋ねてみてもよいでしょう。
ただし、相手の状況が見えないときは、無理に連絡を取るより参列を控え、弔電やお悔やみの手紙で気持ちを伝える方が安心です。
【立場別】参列を迷ったときに。親族・友人・職場関係者・ご近所の場合の判断基準

故人との関係性によって「参列すべきかどうか」の目安は少しずつ変わります。親族・友人・職場関係者・ご近所、それぞれの立場での考え方を見ていきましょう。
親族の場合
親族として家族葬に参列するか迷うときは、「親等」とこれまでの関わり方を合わせて考えると判断しやすくなります。一般的には両親・子ども・祖父母・兄弟姉妹など二親等までが参列の目安とされますが、同居していた、幼い頃から育ててもらったなど、特に近しい間柄なら三親等以降でも参列をお願いされることがあります。
遺族から「ぜひ来てほしい」と声がかかった場合は、できる範囲で応じるのが礼儀です。ただし、遠方で移動が難しい、高齢や持病など体調面で不安があるときは、無理をする必要はありません。
友人・知人の場合
友人・知人としての参列は、「訃報を誰から、どのような形でもらったか」が大きな判断材料になります。故人の家族から直接連絡があり、日時や会場が明記されている場合は、参列してほしいという意思表示と受け止めてよいでしょう。一方、人づての話やSNSの投稿で知っただけなら、遺族が弔問客を絞っている可能性が高く、原則として参列は控えます。
職場関係者の場合
職場関係者として参列するか迷うときは、「会社としての対応方針」と「遺族の意向」を基準に考えるのが適切です。「代表のみ参列」「部署で香典をまとめる」など、社内でルールが設けられていることも多く、個人判断で動くと対応が重なることがあります。
また、遺族から「家族だけで見送りたい」「香典・供花はご遠慮します」といった連絡があった場合は、その意向を最優先にしましょう。
ご近所の場合
地域によっては、ご近所の方が亡くなった場合、近隣住民も葬儀に参列するのが当たり前という風習が残っていることもあります。しかし家族葬の場合は、案内がなければ基本的に家族だけで見送る意向と考えます。
親しくしていたご近所の方であっても、直接連絡がなかった場合は無理に参列せず、後日落ち着いた頃に線香をあげさせてもらうなど、負担の少ない方法を選ぶとよいでしょう。顔なじみだからこそ、「今はそっとしておく」という配慮も、温かいご近所付き合いの一つです。
家族葬に参列するときに知っておきたいマナー

ここからは、家族葬への参列が決まったときに押さえておきたい具体的なマナーを紹介します。服装や香典、受付での振る舞いなど、当日あわてないためのポイントを確認しておきましょう。
服装|「平服で」と言われたときは?家族葬ならではの判断基準
家族葬では、案内状に「平服でお越しください」と書かれているケースが多くあります。
ここでの平服とは普段着ではなく、「喪服ほど格式張らない、控えめな礼装」という意味で、黒や濃紺、グレーなどを基調にした、落ち着いたスーツやワンピースを指します。光沢の強い生地や派手な柄は避け、靴やバッグもシンプルなものを選びましょう。
学生や子どもの場合は、制服や紺系の服に白いシャツなど、きちんと感のある服装で十分です。いずれの場合も、華やかなアクセサリーや香りの強い香水は控えましょう。
香典|辞退と書かれていたら、持参しなくてOK
家族葬では、「香典は固くご辞退申し上げます」「お気持ちだけ頂戴いたします」などの一文が添えられていることがあります。その場合は、無理に香典を用意せず、手ぶらで参列しても失礼には当たりません。香典を渡そうとしても受け取ってもらえず、かえって遺族の気づかいを増やしてしまうこともあるため、案内文の意向に従うことが何より大切です。
香典辞退の記載がない場合でも、家族葬では、遺族が「気持ちだけで十分」と考えている場合も少なくありません。故人との関係性や自分の年齢・立場を考慮しつつ、無理のない範囲で用意しましょう。金額の多寡よりも、丁寧な言葉や気遣いのほうが心に残ります。
受付|受付がない家族葬での声かけ・到着タイミング
家族葬では、受付や記帳台をあえて設けないケースも少なくありません。
その場合は、会場の入口やロビーで静かに会釈をし、葬儀社スタッフや親族からの案内を待ちます。勝手に式場内へ入らず、「○○と申します。本日はお悔やみに伺いました」と一言添えてから誘導に従いましょう。受付では長話を避け、香典の受け渡しと簡単な挨拶だけにとどめるのがマナーです。
受付がある場合は、開式の20〜30分前を目安に到着すると、慌ただしくならずに済みます。
お悔やみの言葉|短く、そっと伝えれば十分
遺族へのお悔やみの言葉は、長く立派な挨拶である必要はありません。「このたびはご愁傷さまでございます」「突然のことで、どのようなお気持ちかと案じております」など、短く落ち着いた言葉をそっと伝えるだけで十分です。悲しみの中にいる遺族に、死因や闘病の経過など、踏み込んだ質問をするのは控えましょう。
涙で言葉が詰まってしまっても、それは故人を思う気持ちがあるからこそです。「うまく話さなければ」と身構える必要はありません。
焼香・拝礼|作法よりも「故人を想う気持ち」が大切
焼香や拝礼の作法は宗派によって細かな違いがありますが、家族葬ではそこまで厳密さを求められることは多くありません。分からないときは、前の人の動作をそっと真似すれば大丈夫です。焼香の回数や合掌の角度などにとらわれすぎず、静かに一礼し、席を立つときにも周囲への心配りを忘れないようにしましょう。
焼香台の前に立ったら、目を閉じて故人との思い出をゆっくり振り返ります。形式的な作法よりも、故人を偲ぶ気持ちと、遺族への配慮を大切にすることが、家族葬の場にふさわしい振る舞いです。
通夜振る舞い|用意されない場合の振る舞い方と断り方
家族葬では、通夜振る舞いや精進落としなどの食事をあえて用意しない場合も増えています。そのため、案内や当日の流れの中で特に誘われなかったとしても、「呼ばれなかった」と気に病む必要はありません。もし「よろしければどうぞ」と声をかけられたときは、時間や体調が許す範囲で、少しだけ席に着く気持ちでいるとよいでしょう。
都合がつかない、長居を避けたいといった場合には、「お気持ちだけ頂戴いたします。ありがとうございます」と一言添えて丁寧に辞退します。
参列を控える場合に弔意を伝える方法

続いて、家族葬への参列を控える場合に、失礼のない形で気持ちを伝える方法を見ていきます。香典や供花、弔電、後日の弔問など、状況に合わせて選べる手段を確認しておきましょう。
香典を郵送する
香典辞退の記載がなく、参列は難しいものの何かしら形に残る気持ちを届けたいときは、現金書留で香典を郵送する方法があります。
通夜・葬儀から一週間以内を目安に、香典袋を現金書留用封筒に入れ、宛名を喪主名で送ります。その際、「ご会葬がかなわず申し訳ございません。心ばかりの御香典をお送りいたします」といった簡潔なお悔やみの手紙を添えると、より丁寧な印象になります。
金額は、実際に参列するときと同じく、故人との関係性や自分の立場に照らして無理のない範囲で決めて構いません。家族葬では、遺族が「気持ちだけで十分」と考えている場合も多く、包む金額の多さよりも、故人を思い、遺族を気遣う心が何よりの弔意になります。
供花・供物を送る
香典と同様に、「供花・供物はご遠慮します」といった記載がないかを、まず案内文で確認します。
辞退の記載がなければ、葬儀社に連絡し、「○○家あてに供花をお願いしたいのですが」と相談すると、宗教や会場の規模に合った花や供物を提案してもらえます。名札は個人なら「○○より」、会社なら「株式会社△△ ○○一同」など、故人との関係が分かる書き方にするのが一般的です。
金額の相場は一基1万5千〜3万円程度とされますが、こちらも無理のない範囲で構いません。
弔電を送る
弔電は、距離や仕事の都合などでどうしても参列できないときに、負担をかけず確実に気持ちを届けられる方法です。NTTの「115」やインターネット電報サービスを利用すれば、文例を選んで申し込むだけで、葬儀当日や前日までに会場へ届けてもらえます。
形式的な文章だけでなく、「○○様には生前大変お世話になりました」「在りし日のお姿が偲ばれます」など、一文でも自分の言葉を添えると、より心のこもった弔電になります。
後日弔問する
どうしても参列できなかった場合、後日あらためて弔問したいと考える方もいるでしょう。その際は、訃報や案内文に「ご弔問はご遠慮ください」「お気持ちだけ頂戴します」といった一文がないかを確認します。記載がある場合は訪問せず、香典や弔電などで気持ちを伝えるのが礼儀です。
案内がない場合でも、葬儀直後から四十九日頃までは控えるのが無難です。弔問を希望する場合は、事前に電話や手紙で確認し、当日は長居せず、香典やお線香、日持ちする菓子を手短にお渡しして静かに手を合わせましょう。
家族葬は故人を偲び、遺族に寄り添う心が最も大切なマナー

家族葬は、参列する場合もしない場合も、故人を想う気持ちと、遺族への思いやりが何よりも大切です。
この記事で紹介した判断のポイントやマナーは、あくまでそのための目安にすぎません。状況によって正解は一つではなく、迷いながら選んだ行動であっても、相手を思う気持ちがあれば必ず伝わります。無理をせず、できるかたちで故人を偲び、遺族の心に寄り添う時間を持ちましょう。
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