自宅での家族葬を考える方へ。費用・流れと確認ポイント
2026.1.4

「大切な人とのお別れは、住み慣れた自宅で行いたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
「自宅での家族葬」は、住み慣れた家で行うことで心穏やかに過ごせる一方、スペースやご近所への配慮など現実的な課題もあります。
この記事では、自宅葬のメリット・デメリット、費用の目安、流れ、事前に確認すべきチェックポイントを整理しました。故人と遺族にとって最も安らぐお別れの形を見つけるために、参考にしてください。
目次
「自宅での家族葬」とは?まず知っておきたい基本

まずは、「自宅で行う家族葬」とはどのようなものなのか、正しく理解することから始めましょう。
そもそも「自宅葬」と「家族葬」の違いは?
「自宅葬」と「家族葬」は、しばしば混同されがちですが、それぞれが指している意味の軸が異なります。
家族葬
葬儀の「規模」や「参列者の範囲」を指す言葉です。参列者を問わない「一般葬」に対し、遺族やごく親しいご友人など、少人数で執り行われる葬儀を「家族葬」と呼びます。
自宅葬
葬儀を執り行う「場所」を指す言葉です。近年において一般的な「葬儀会館」で行う葬儀と違い、故人が住み慣れたご自宅を式場として葬儀を行います。
つまり、「自宅での家族葬」とは、故人が慣れ親しんだ自宅で、家族を中心とした限られた方々だけで執り行う、小規模で心のこもった葬儀のことです。
なぜ今、自宅でのお見送りが選ばれているのか
近年、多くの人が思い浮かべる大規模な一般葬から、より小規模で心のつながりを重視する家族葬へと葬儀の形が変化しています。
これは、核家族化や地域コミュニティとの関係性の希薄化により、多くの参列者を招く必要性を感じない方が増えたことが要因と考えられています。
形式や慣習にとらわれるよりも、「故人らしさ」や「家族が心から納得できるお別れ」を大切にしたいという価値観が広がってきました。住み慣れた我が家という最もプライベートな空間は、そうした想いを実現するのに最適な場所として見直されています。
家族葬を自宅で行うメリット

ここでは、家族葬の場所として自宅を選ぶメリットを、遺族の想いと重ね合わせながらご紹介します。
故人が愛した空間で、ご家族もリラックスして過ごせる
長年住み慣れた我が家は、故人にとって最も安らげる場所であると同時に、ご家族にとっても思い出が詰まったかけがえのない空間です。
慣れない場所での緊張感や、他の方への気遣いから解放され、これまで自宅で過ごしてきたのと変わらずに、リラックスした状態で故人と向き合うことができます。
故人が愛用していた椅子に腰掛けたり、いつも過ごしていたお部屋の空気を感じたりしながら、ありのままの気持ちで最期の時を共に過ごせるのは、何物にも代えがたい価値があります。
移動の負担を減らせる
高齢の親族や体の不自由な方がいる場合、会場までの移動が不要になるのは大きな安心です。小さな子ども連れでも、自宅なら気兼ねなく過ごせます。
会場への往復や送迎の手配が不要なので、準備や移動にかかる時間を短縮できます。その分、故人との時間に充てられるのも、自宅葬ならではの利点です。
費用を抑えられる可能性もある
自宅葬の場合、葬儀会館の使用料がかからないため、その分の費用を抑えられる可能性があります。
ただし、必ずしも総額が安くなるとは限りません。 自宅という専門施設ではない場所で儀式を行うため、搬入や設営の難易度によっては追加の手間賃が発生したり、長期間の安置にともなうドライアイスの追加費用がかさんだりするケースもあります。また、駐車場を確保する費用が別途必要になる場合もあるでしょう。
費用面だけで判断するのではなく、「自宅でお別れをすることの意味」と「実際にかかる総費用」の両面を確認したうえで検討することが大切です。
事前に知っておきたいデメリットと対策

家族葬を自宅で行うことには多くのメリットがある一方で、事前に理解しておくべき現実的な課題もあります。ここでは、代表的なデメリットと、その具体的な対策について解説します。
ご近所への配慮が必要
ご自宅で葬儀を行う場合、ご近所への配慮は避けて通れません。人の出入りや車両の駐車、場合によっては読経の声などが、周囲にご迷惑をおかけする可能性があります。
【対策】
葬儀の日程が決まった段階で、戸建てであれば両隣と裏のお宅、マンションであれば同じフロアや上下階の住民の方へ、直接ご挨拶に伺うのが望ましいです。
「〇月〇日に、自宅にて身内だけでささやかに故人を送ることになりました。ご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いいたします」と簡潔に趣旨を伝えましょう。
一戸建ての場合でも、出棺時の音や車の出入り、弔問客による騒音が発生する可能性があるため、事前の連絡と理解を得ることが円滑な実施につながります。
遺族の負担が重くなる可能性がある
葬儀会館と違い、自宅が会場となるため、祭壇を設けるための部屋の片付けや家具の移動、参列者のための備品準備、葬儀後の清掃などを遺族が担う必要があります。
深い悲しみの中でこうした作業を行うと、「本来なら故人と静かに過ごしたい時間」が削られてしまいます。弔いに集中できず、後になって「もっと寄り添えばよかった」と後悔するケースもあります。
【対策】
経験豊富な葬儀社に依頼すれば、祭壇設置や備品準備、後片付けの大部分を任せられます。「遺族が担うこと」と「プロに任せること」を明確に分けることで、心身の負担が大幅に軽減されるのがメリットです。
葬儀社は単なる進行役ではなく、「遺族が弔いに集中できる環境を整えるパートナー」と考えるとよいでしょう。
自宅で家族葬ができる?必ず確認すべきチェックリスト

実は、自宅で家族葬をしたくても、できないケースは意外と多くあります。ここでは、実施できるかどうかを判断するうえで、チェックすべき項目を順番に紹介していきます。
自宅葬が認められているか【マンションの場合】
集合住宅であるマンションは、管理規約や賃貸借契約で、葬儀に関する取決め(禁止事項など)が定められている場合があります。トラブルを避けるためには、事前の確認が不可欠です。
管理組合や大家さん、不動産管理会社に問い合わせ、これまでに同様の事例はあるか、どのような手続きが必要なのかを確認しましょう。
搬入・搬出の経路は確保できるか
遺体を納めるお棺をご自宅に運び入れたり、火葬場へ送り出すための経路確保も重要です。
玄関・廊下の幅、階段の形状、マンションであればエレベーターの大きさなどを確認する必要があります。
ご自身で採寸するよりも、葬儀社のスタッフに現地調査を依頼するのが確実です。ストレッチャーやお棺が通れるか、プロの目で判断してもらいましょう。
遺体を安置し葬儀を行う十分なスペースはあるか
続いて、遺体の安置、祭壇の設置、僧侶や参列者のためのスペースを確保できるかを確認します。どの部屋をどのように使うか、家族で話し合うことが大切です。
家具の移動で対応できる場合もありますが、負担がともなうことは理解が必要です。葬儀社に相談すれば、お部屋の広さに合わせた祭壇のサイズやレイアウトを提案してくれます。
駐車スペースは確保できるか
自宅で家族葬を行うには、葬儀社の寝台車や霊柩車、僧侶の車、遠方から来る親族の車などを停めるスペースが必要です。自宅に駐車場がない場合は、近隣のコインパーキングなどを事前に探しておく必要があります。
葬儀社にも車両の台数などを伝え、相談してみるとよいでしょう。
近隣への配慮はできているか
葬儀を行う際には、出棺時の車両の出入りや弔問客の訪問によって、一時的に騒音や混雑が生じる場合があります。一戸建てであっても、近隣住民への配慮は欠かせません。
事前に簡単な挨拶や説明を行っておくことで、理解を得やすくなり、トラブル防止にもつながります。
ご遺体の衛生管理・冷却体制は整っているか
特に夏場や長期間安置する場合は、衛生面の管理が欠かせません。ドライアイスの交換頻度や室温管理を怠ると、遺体の保全状態に影響が出るおそれがあります。
エアコンをしっかり効かせて室温を一定に保つことができるかなども、重要な検討事項です。状況によっては限界もあるため、葬儀社に冷却や保冷について相談しておくと安心です。
費用の内訳と相場

葬儀に関して、遺族が最も心を悩ませる問題の一つが「費用」です。特に自宅葬の場合、何にいくらかかるのかが分かりにくく、不安に感じられる方も少なくありません。ここでは、費用の目安と内訳を紹介します。
自宅葬にかかる費用の目安
自宅葬の費用は、参列者の人数や祭壇の規模、依頼する葬儀社のプランによって大きく変動します。一般的には通常の家族葬の相場である70万〜120万円から、会場の使用量などを差し引いた額になります。
ただし、これはあくまで目安で、搬入や会場設営の難易度などによっては、一般的な家族葬より高くなる可能性がある点は、理解しておきましょう。
見積書では必ず内訳を確認しよう
見積書では、別途「追加料金」が発生する可能性がないかをしっかりと確認することが重要です。
【基本的な葬儀費用に含まれることが多い項目】
- 搬送費:病院などからご自宅までの搬送、ご自宅から火葬場までの霊柩車の費用
- 安置費用:ドライアイスや防水シーツなど、遺体を衛生的に保つための費用
- お棺・骨壺:故人を納めるお棺と、遺骨を納める骨壺の費用
- 祭壇・装飾:自宅に設置する祭壇や、それを飾るお花の費用
- 運営スタッフ人件費:葬儀の準備や当日の進行をサポートするスタッフの費用
- 役所手続き代行費:死亡届の提出など、必要な行政手続きを代行する費用
【別途費用となることが多い項目】
- 宗教者へのお礼(お布施など): 読経などを依頼した僧侶などにお渡しするお礼
- 飲食接待費:通夜振る舞いや精進落としなど、参列者へのお食事の費用
- 返礼品:香典返しや会葬御礼品の費用
- 火葬料金:火葬場で支払う費用(地域によって異なる)
- 会場設営・レンタル費用: 椅子・テント・照明などを自宅に設置する場合の費用
- 駐車場の確保費用:近隣に十分な駐車スペースがない場合に、貸し駐車場などを手配する費用
- 搬入・設営の手間賃:狭い通路や階段などで祭壇・備品を搬入する際の追加作業費
- 長期安置にともなう追加費用:安置日数が延びる場合のドライアイス代や管理費
見積書を見た際、不明な点があれば遠慮なく質問しましょう。一つひとつ丁寧に説明し、遺族が納得できるまで向き合ってくれるかどうかが、信頼できる葬儀社を見極めるための重要なポイントになります。
自宅で家族葬を行う具体的な流れ

ここでは、自宅で家族葬を行う場合の、ご逝去からお見送りを終えるまでの一般的な流れを、ステップごとに解説します。
Step 1:ご逝去と安置
病院などで亡くなった場合、まずは葬儀社に連絡しましょう。すぐに葬儀社が寝台車でお迎えにあがり、故人をご自宅までお連れします。
ご自宅では、お布団に安置し、枕元にお線香やろうそくなどを飾る「枕飾り」を設置します。この瞬間から、ご自宅での故人との最期の時間が始まります。
Step 2:葬儀社との打ち合わせ
遺族の心身が少し落ち着いたタイミングで、葬儀社の担当者と具体的な打ち合わせを行います。この場で、「自宅で家族葬をしたい」ことを伝えたうえで、どのようなお見送りにしたいかという家族の希望を具体的に共有しましょう。
例えば、「故人が好きだった花で祭壇を飾りたい」「形式ばった挨拶はなしにして、家族で思い出を語る時間にしたい」といった想いを遠慮なく話すことが大切です。この打ち合わせに基づき、葬儀社が詳細な日程、内容、そして見積書を作成します。
Step 3:納棺の儀
お通夜の前に、故人の体を清め、死装束を整え、お棺に納める「納棺の儀」を執り行います。これは家族が故人のために行う最期の身支度であり、とても大切な時間です。家族の手で、故人が愛用していた衣服を着せたり、思い出の品を一緒に納めたりしましょう。
Step 4:お通夜・告別式
自宅に祭壇を飾り、僧侶を招いて読経をいただくなど、お通夜と葬儀・告別式を執り行います。自宅葬では、厳格な作法に縛られる必要はなく、例えば通夜振る舞いでは、故人が好きだったお料理を皆で囲むなど、家族ならではの温かいおもてなしが可能です。
故人との思い出を語り合いながら、心ゆくまでお別れの時間を過ごしましょう。
Step 5:出棺と火葬
告別式を終えると、いよいよお別れの時です。お棺の蓋を開け、家族一人ひとりがお花をたむける「お花入れの儀」を行い、最期の対面をします。
その後、お棺を自宅から霊柩車へと運び出し、火葬場へ向かいます。火葬が終わると、遺骨を骨壺に納める「収骨」を行い、一連の儀式は終了となります。
会館での家族葬という選択肢も

自宅での家族葬には、故人が慣れ親しんだ空間で見送れるという温かい魅力があります。
ただし、スペースの制約やご近所への配慮、準備・片付けの負担といった課題も避けられません。準備に追われてしまい、本来大切にすべき「故人と向き合う時間」が削られては本末転倒です。
その点、葬儀会館での家族葬なら、設備や駐車場が整っており、プライベートな空間で落ち着いて過ごせます。準備や片付けの負担が少ないため、遺族は弔いに集中できます。
もし「故人が自宅で過ごしてきた時間を大切にしたい」という想いが強ければ自宅葬は温かな選択肢です。一方で「少人数で心のこもった時間を過ごしたい」ことが自宅葬を検討する目的なら、会館での家族葬も十分にその想いを叶えられます。
大切なのは、場所ではなく「どのようにお別れの時間を過ごすか」です。ご家族の状況や想いに合わせて、最も納得できる形を選んでみてください。
故人とご家族にとって、一番心安らぐお別れのために

自宅での家族葬は、故人が慣れ親しんだ空間で、遺族が心からリラックスして最期の時間を過ごせる温かい選択肢です。一方で、スペースやご近所への配慮、準備や片付けの負担など、事前に確認・対策が必要な現実的な課題もあります。
大切なのは、「自宅でできるかどうか」だけではなく、その場でどのように故人を偲び、遺族が納得できる時間を持てるかという点です。費用や形式にとらわれるのではなく、「私たちらしいお別れができた」と心から思えることこそが、後悔のない葬儀につながります。 家族葬の飛鳥会館では、自宅での家族葬はもちろん、会館でのプライベートな家族葬まで、ご希望に沿ったお見送りをサポートしています。どうぞ安心してご相談ください。






