家族葬と密葬の違いとは?目的と位置づけを知って選ぶ、後悔しない葬儀の形
2025.12.23

大切な方を静かに見送りたい —その想いに寄り添う葬儀として「家族葬」と「密葬」があります。
どちらも小規模で近親者中心という共通点があるため、混同している方も少なくありませんが、実際にはその目的や位置づけには大きな違いがあります。
この記事では、「家族葬」と「密葬」の違いを整理したうえで、選ぶ際の注意点やよい葬儀社を見極めるポイントまで、後悔のない判断をするための基準なども含めて解説します。
一般家庭にとって現実的な選択肢となる家族葬についてはより詳しく紹介するので、故人とご家族にとって最も心安らぐお別れの形を見つけたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
家族葬と密葬の違いは「本葬」の有無と「秘密性」

家族葬と密葬は、どちらも「近親者など限られた人数で執り行う小規模な葬儀」という共通点があるため混同されがちです。しかしその目的と位置づけは、根本的に異なります。まずは、それぞれの概要を確認しておきましょう。
家族葬とは
家族葬は、それ自体で完結する一つの独立した葬儀形式です。家族や親族、親しい友人などごく近しい人だけで、通夜から葬儀・告別式、火葬までの一連の儀式を執り行い、故人とのお別れをします。

密葬とは
密葬は、家族葬と同様に、近親者のみで一連の儀式を行いますが、以下の2点が異なります。
後日「本葬」を行う
密葬では、まずごく内輪の親族のみで火葬までを静かに済ませます。家族葬との違いは、その後、日を改めて会社関係者やご友人など多くの方を招くための「本葬」を行うことです。「偲ぶ会」や「お別れ会」とされることもあります。

秘密性が高い
密葬の「密」は、葬儀を秘密裏に行うことを意味します。基本的に、葬儀を行うことは、参列者以外に公表せず、案内された場合も口外しません。
家族葬は家族や親族のほか、親しい友人が参列することも多いですが、密葬は家族と親族だけなど、参列者がより限定されるのが一般的です。
火葬まで済ませてから公にし、本葬を案内します。
密葬が選ばれるのはどのようなときなのか

密葬が選択される背景には、以下のような特有の事情があることがほとんどです。
故人が著名人・会社の要職者であった場合
会社の創業者や役員、政治家、文化人など、社会的に広く知られた方が亡くなった場合、多数の弔問客が予想されます。
このような場合に、会社や団体が主催する「社葬」や「団体葬」を本葬として執り行い、その前に家族だけで密葬を行います。
本葬の準備に時間が必要な場合
大規模な本葬を行うには、会場の手配、関係各所への連絡、式のプログラム作成など、相当な準備期間が必要になります。
逝去から火葬までは法律により最低24時間の待機が必要なうえ、衛生上の問題から、長期の安置が難しくなりがちです。そのため、まず密葬で火葬までを済ませ、数週間から数ヶ月後に落ち着いて本葬の準備を進めることもあります。
遺族が、まず落ち着いてお別れする時間を確保したい場合
多くの弔問客が訪れる本葬では、遺族は主催者側としての対応に追われてしまいます。その前に、まず家族だけで静かに故人を偲び、悲しみと向き合う時間を持ちたいという想いから、密葬が選ばれることもあります。
一般家庭で静かに見送りたいなら「家族葬」が現実的な選択肢

密葬は社会的立場のある人や大規模な本葬を前提とした特殊な場合に選ばれることが多く、すべての人に当てはまるわけではありません。
一般家庭で「近親者だけで静かに見送りたい」という希望を叶えたいのであれば、家族葬を選ぶのが多くの人にとっては現実的な選択肢になります。
ここからは、家族葬の特徴や流れ、選ぶ際の注意点などを詳しく紹介していきます。
家族葬のメリット
まずは、家族葬を選ぶメリットを確認しましょう。
故人との最後の時間をゆっくり過ごせる
一般葬では、喪主や遺族は次々と訪れる弔問客への挨拶や対応に追われ、故人とゆっくり向き合う時間がとりにくいのが現実です。
その点、家族葬では参列者が限られているため、形式的な対応に時間を割かれることがありません。家族だけで思い出話をしたり、故人の好きだった音楽を流したりと、心穏やかに最後の時間を過ごせます。
多くの人が望む「涙だけでなく、笑顔もある温かいお別れの時間」を実現できるのは、家族葬ならではのメリットです。
参列者対応の身体的・精神的負担が少ない
多くの参列者への気遣いや、煩雑な儀式の進行に気を配ることは、遺族にとって大きな身体的・精神的負担となります。
家族葬では、参列者が気心の知れた身内中心であるため、過度な緊張から解放され、純粋に故人を悼むことに集中できます。
費用を抑えられる場合がある
参列者の数が少ないため、会場の規模を小さくでき、通夜振る舞いや返礼品にかかる費用を抑えやすくなります。
ただし、プランの内容やオプションによっては参列者を限定しない一般葬と変わらない費用がかかることもあります。
費用面だけで選ぶのではなく、あくまで故人と家族の意向に沿った結果として費用が抑えられる、と考えるのがよいでしょう。
家族葬のデメリットと、心に留めておくべき注意点

滞りなく家族葬を執り行うには、あらかじめ押さえておきたい注意点があります。
事前に親族間の理解を得ておく必要がある
家族葬で最も注意すべき点の一つが、親族間のトラブルです。「なぜ自分は呼ばれなかったのか」「故人がお世話になった方に知らせないのは失礼だ」といった意見が出る可能性があります。
特にご高齢の親族の中には、「葬儀は広く知らせて多くの方に見送ってもらうべきだ」という考えを持つ方も少なくありません。「故人の遺志だった」「身内だけで静かに見送りたい」など、家族葬を検討している理由を丁寧に説明し、事前に理解を得ておくことが大切です。
葬儀後に弔問客の個別対応が必要になることも
葬儀に呼ばれなかった友人や会社関係者などが、後日ご自宅へ弔問に訪れることがあります。その都度、個別に対応する必要が生じ、結果的に葬儀後も落ち着かない日々が続くことになりかねません。
誰がいつ訪れるか分からない状況は、かえって遺族の負担になることもあるため、事前の備えや心構えが必要です。
家族葬の費用相場と一般的な流れ
家族葬の費用相場は、参列者の人数や地域、プランの内容によって大きく異なりますが、一般的には70万円から120万円程度が一つの目安とされています。
基本的な流れは一般葬とほとんど変わらず、ご逝去の後、遺体を安置し、納棺の儀を行います。その後、通夜、葬儀・告別式を執り行い、出棺、火葬という順で進みます。
近年は、通夜を省略して葬儀・告別式のみを行う「一日葬」の形式がとられることもあります。
一日葬と家族葬の違いとは?費用・流れ・注意点を網羅した完全ガイド
後悔しないために。家族葬・密葬で共通する4つの注意点

家族葬と密葬のどちらの形式を選ぶにせよ、後々「こうすれば良かった」と悔いを残さないために、共通して注意すべき重要なポイントを4つ紹介します。
①故人の遺志を尊重する
葬儀の形式を決めるうえで最も大切なのは、故人がどのように送り出されたいと考えていたかを尊重することです。「大げさなことはせず家族だけで静かに」「会社関係の方にはきちんとお別れの機会を設けてほしい」など、故人が口にしていた言葉を手がかりにしましょう。
遺族が「自分たちの都合」だけで形式を選んでしまうと、後から「故人の気持ちに沿わなかったのでは」と悔いを残すことにつながることもあります。まずは「故人が望んだかもしれない形」を出発点に話し合うことが、どの形式を選ぶにせよ後悔しない葬儀への第一歩となるのです。
②親族への事前相談と合意形成を丁寧に行う
葬儀の形式については、家族・親族間で事前にしっかりと話し合い、合意を形成しておくことが最も重要です。特に密葬は「本葬を控えている形式」であり、参列者を限定する分だけ「なぜ知らせてくれなかったのか」と誤解を招きやすい点に注意が必要です。
また、家族葬は「親しい友人まで呼ぶかどうか」で意見が分かれることがあります。兄弟姉妹や年長の親族には、「故人の遺志で、家族だけで静かに見送りたいと考えています」など、理由を添えて丁寧に説明しましょう。このコミュニケーションを怠ると、後々まで続く人間関係のしこりを残す可能性があります。
③菩提寺への連絡は忘れない
菩提寺(先祖代々のお墓があるお寺)がある場合は、事前に葬儀の形式について相談することが非常に重要です。
お寺によっては、葬儀のやり方について独自の考えを持っている場合が少なくありません。相談なくそのまま家族葬や密葬を執り行うと、その後の納骨を快く受け入れてもらえないなどの深刻なトラブルに発展する場合があります。
菩提寺への連絡は、礼儀であると同時に、将来的な問題を避けるための重要な手続きです。
④参列をお願いする方の範囲を明確にする
家族葬や密葬では、参列いただく方の範囲をどこまでにするかが課題になります。密葬では「どこまでを親族に含むのか」、家族葬では「親族までか、親しい友人までか」で意見が分かれやすく、基準をあいまいにすると誤解や不安を招きかねません。
「あの人は呼んで、この人は呼ばない」という状況が意図せず生じると、人間関係に亀裂が入る原因となりえます。家族・親族間で基準を明確に共有し、リストを作成するなどして、あいまいさをなくすことが大切です。
葬儀の満足度は葬儀社選びで決まる

家族葬や密葬を安心して執り行うために欠かせないのが、信頼できる葬儀社です。精神的に動揺している中でも、後悔のない選択をするためのポイントを解説します。
信頼できる葬儀社の見極め方
検討している葬儀社が、大切な方の葬儀を任せられるかを見極めるには、以下のような点を注視しましょう。
明瞭な見積もりがあるか
多くの方は葬儀について詳しくなく、費用の仕組みは分かりづらいものです。だからこそ、パック料金だけでなく、何が含まれ、何が追加料金になるのか、詳細な内訳を丁寧に説明してくれるかどうかが大切です。
例えば「安置が2泊以上になる場合は1泊につき○万円」など、追加料金の条件についても、明確に説明してくれるかも確認しましょう。
親身な対応をしてくれるか
大切な方を失った直後は気持ちの整理もつかず、葬儀について考える余裕がない遺族も少なくありません。そのような遺族の想いに寄り添ったうえで、要望を真摯に受け止め、柔軟にプランを調整してくれるかどうかは、後悔のない葬儀をするために欠かせないポイントです。
特に、形式やプランを一方的に押し付ける葬儀社は避けたほうが安心です。宗教・宗派のしきたりやご家庭の事情、予算面なども含めて相談に乗り、最適な形を一緒に考えてくれる葬儀社を選びましょう。
事前相談を活用しよう
精神的に動揺している中、冷静に葬儀社を比較するのは難しいものです。不慮のできごとではなく、ある程度予期していることであれば、事前相談しておくと安心です。
かつては「生前に葬儀のことを話題にするのは縁起でもない」と考えられていましたが、近年は「気持ちよく見送りたい」との考えから事前相談する人が増えています。見積もりや式の流れを事前に確認したうえで、家族で合意形成を進めやすくなるのも事前に相談しておく利点です。
故人とご家族の想いを形にする、悔いのない選択を

「家族葬」と「密葬」は、どちらも近しい人々で故人を見送るという点では似ていますが、「本葬」の有無によって明確に区別されます。本葬を要するような特殊事情がなければ、多くのご家庭にとっては家族葬が現実的な選択肢となります。
どちらを選ぶ場合でも、葬儀の準備は、悲しみの中で行わなければならない大変な作業です。後悔のないお見送りをするには、葬儀社選びがとても大切になります。
家族葬の飛鳥会館では、故人様とご遺族の想いを第一に考え、気持ちよくお送りするためのお手伝いをいたします。大切な方との最後の時間を、心安らかに過ごしたいと考えたときには、どうぞお問い合わせください。






