「御清め塩」使う?使わない?
お葬式に参列すると、いただいた会葬品に『御清め塩』が入っています。
玄関先で塩を自分の体に振りかけてから家に入る…
何となくしてきたこの習慣の『御清め塩』にはどんな意味があるのでしょうか。
古代日本神話の古事記の中に、
「黄泉の国から戻った神様(イザナギノミコト)が、身体に染み付いた穢れ(けがれ)を海で洗い清めた」
とあります。
日本では古くから、禊祓い(みそぎばらい)という、海水に浸かる神事などが各地で催されています。
悪いものを追い払うために、
『海水で身を清める』=『塩を用いて清める』
という慣習が生まれたと思われます。
国技である相撲では、力士が土俵に上がる時に豪快に塩を撒きます。
これも神聖なる土俵を清めるために行っています。
この他にも、自分にとって嫌な相手が二度と来ないようにと、相手が去ったあとに塩をまくこともあります。
これにも邪気を祓うという意味が込められています。
もともと清め塩は神式のお葬式で用いられたもので、お葬式の場から持ち帰った邪悪な気を家の中に持ち込まないために行われました。
これは亡くなった方を『穢れたもの』としているのではなく、『死を招いた邪気』を祓うことからきているのです。
仏教やキリスト教では死を穢れとはしないため、清め塩は基本的に必要とされていません。
しかし、やっぱり気になるという方は、家に入る前に清め塩を使ってみてはいかがでしょうか。