キュウリやナスで作った馬や牛は何のために飾るの?
お盆まであと一ヶ月。
お盆の季節になると、キュウリやナスで作った、こういうものを見たことはありませんか?
このキュウリやナス…一体何でしょう?
実はこの2つ。
ご先祖様をお迎え、お送りする乗り物で、馬と牛を表現しています。
キュウリのほうは「精霊馬(しょうりょううま/しょうりょうま)と言われ、「馬」を表しています。
馬は足が速い動物なので、ご先祖様に「これに乗って早くきてほしい」という思いが込められています。
ナスは「精霊牛(しょうりょううし)」と言われ、その名のとおり「牛」を表現しています。
歩みがゆっくりで、たくさんの荷物を運べる牛には、ご先祖様に「少しでも長くいてほしい」「たくさんのお供え物をお土産として持って帰ってほしい」という思いが込められていると言われています。
飾る場所ですが、お仏壇の前に作る盆棚(精霊棚)に飾るのが一般的と言われています。
(地域によっては、玄関先に出しておく…というところもあるそうです)
飾り方としては
迎え盆(8/13) … ナスとキュウリはそれぞれ盆棚の内側に頭を向ける
送り盆(8/16) … ナスとキュウリはそれぞれ盆棚の外側に頭を向ける
これが最も一般的な置き方とされます。
ちなみに、送り盆後のナスとキュウリを処分する方法ですが、
1.焼く(自宅でもお寺等でも)
2.塩をふってお清め後、半紙や白い紙で包んで「燃えるゴミ」として処分する
3.土に還す(穴を掘って埋める)
4.精霊流しで流す(川や海に)
と、大きく4つあります。
ただし、4は風情もあってよさそうですが…
現代では、かなり難しい処分方法になっているので、あまりおすすめできません。
(不法投棄と間違われてしまうことがあるので要注意です)
材料は、ナス、キュウリ、割り箸(もしくは、つまようじ)があれば簡単に作れますので、今年のお盆は作ってみてはいかがでしょうか?
※地域や宗派によって、異なる場合がありますので上記は一例となります。